一昔前であれば、考えられなかったようなメーカー、すなわち、フェラーリやランボルギーニやポルシェ、BMWベンツといったラグジュアリーカーメーカーがSUVを販売する現在ですが、なぜ、このようにSUVが増えたか、を考えてみたいと思います。
まずは、それらのメーカーが中国や中東地域に向けての販売強化、という点も大きいでしょう。
爆発的な発展を遂げる中国ですが、まだまだ地方に行けば道路の舗装されていないような場所があります。しかし、そこでも確実に、それのヨーロッパメーカーのブランドさを求める購買層が存在する、そのような中で悪路であっても自分達のブランドを成立させるとなるとSUVとなるのでしょう。
これは中東でも同じようなことがいえます。この場合は砂漠ですが…。
または、実用性、という意味もあるかも知れません。
SUVの方が背が高いため見晴らしが良く、大柄なボディであっても比較的運転がしやすい点もあります。大型トラックは、車幅は大きいですが、視点が高いため、慣れてしまえば一定程度の道幅があれば非常に運転しやすい、とも聞きます。
また、SUVには荷物を大量に積む事ができます。ハイブランドでありながら実用性も持つ点も、富裕層の心をくすぐるのでしょう。
とはいえ、ヨーロッパでは高速走行の安定性、という意味において、セダン型がいまだに「一定以上の価格帯の自動車では」主流であったりします。
また、そのいいとこ取りをしようとするSUVでも「背が高いセダン型」も登場しています。
とは言え、それらのヨーロッパメーカーこそ、二酸化炭素の排出削減を求め、電動自動車と言いつつ、その一方では、前方投影面積が大きく、また、非常に巨大なSUVを生産しているという、全く両極端な、ある意味、皮肉な現在状況とも言えるかもしれませんが…。