実は、今のふつーの、ベーシックな軽自動車でも十二分に自動化されています。
かつて自動車は、スターターは手動、チョーク、点火時期、の調整も必要、ミッションはノンシンクロ(ダブルクラッチ必須)、かつ定期的な機械的メンテンスをしないと、そもそも、まともに走らない、という状態でした。
さらに言ってしまえば、自動車黎明期の頃は「技術がないと車を走らせる以前に壊す」状態でした。
それに比べれば、今走っている多くのオートマ車は「運転以外は自動化」されたと言っても過言ではないでしょう。
イグニッションキーすらなく、ボタンを押すだけでエンジンがかかる。ギアもドライブにさえ選択すれば、あとは変速や点火時期を考える必要もない。ドアはオートロック、パーキングブレーキさえボタン式の車さえあります。バックカメラ付きの車の車庫入れは殆どゲーム感覚…。
しかし、それでも、自動車を運転することは今でも楽しいものです。
この点を考えると、車の運転は、今後、限りなく自動化されても、楽しさは残るのではないか、と思います。
実際、ホンダセンシング等の「高度な運転のアシスト」の場合、高速道路では極めて人間の介入の少ない、ある意味「自動運転、一歩手前」の状態なのですが、では、それで走って楽しいのか?と問われると
すんごく楽しいです
はい。
それは、自動車を運転する、という、エンジンなり電気なりでの走行という、機械的運動の要素のうちの「美味しい部分」だけを人間が行う状態とでも言うべきかもしれません。
具体的に言えば走行の疲れが極めて少ない。自動車の運転を「疲れる」部分を極力軽減した運転形式とでもいいましょうか。
もちろん、完全に自動化されば今の自動車とは全く異なる様式、すなわち、「人間は走行に全く介入せず、自動で走るリビング」として再定義される可能性もありますが、それはずいぶんと先のことでしょう。
自動車とは色々な楽しみがあっていいと思います。完全にマニュアルで「可能な限り機械に人間が介入する、介入せざるをえない」スタイル、一方では「機械的部分は自動化し、運転の美味しい部分だけを味わう」スタイル。
そのどちらとも間違いではありませんし、それぞれの楽しみ方があります。
弊社はアンティークカーから、最新のハイブリッド車まで、自動車の多様な楽しみ方を応援できれば、と考えています。